東洋医学の専門学校を目指す!鍼灸師と柔道整復師について解説

働きながら資格を取る! 方法と学校選びのコツ

鍼灸院や整骨院だけでなく、病院や介護施設、整形外科やリハビリ施設、スポーツの分野などにも広いニーズのある医療職が鍼灸師と柔道整復師です。鍼灸師、柔道整復師ともに資格を取得するには条件を満たして国家資格を受験し、合格しなければいけません。

今回は、鍼灸師と柔道整復師の資格を取得する方法や条件、専門学校選びのポイント、鍼灸師と柔道整復師の資格両方を同時に取得する場合や働きながら資格取得を目指す方法について解説します。

鍼灸師と柔道整復師資格でできることと取得方法

成績カードを持つ学生

鍼灸師と柔道整復師、いずれも東洋の医学を用いて治療や痛みの改善を行う医療職となります。まずは鍼灸師と柔道整復師の仕事内容やできること、鍼灸師と柔道整復師になるための方法を解説します。

鍼灸師とは

医療系専門学校入試情報が満載鍼灸師とは、正確には「はり師」と「きゅう師」のふたつの資格を取得している資格所持者を指します。「鍼灸師」という国家資格が存在するわけではありません。一般的にはり師ときゅう師の資格を同時に取得することが多いため、両方合わせて鍼灸師と呼ばれるようになりました。

鍼灸師は、鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて患者さんの治療点を刺激し、痛みや疲れの治療や軽減を行います。鍼灸師は、以下のような職場やシーンで活躍しています。

  • 鍼灸院
  • マッサージ治療院
  • 病院やクリニックの鍼灸外来
  • 機能訓練型デイサービス
  • 介護施設
  • トレーナー(スポーツ、ジム、チームなど)
  • 美容鍼灸院
  • 鍼灸師(はり師、きゅう師)養成校の講師
  • 独立開業

柔道整復師とは

柔道整復師とは、柔道整復術を用いて手やテーピングによる治療や施術を行う医療職です。柔道整復術とは柔道の活法を基礎にした施術方法で、整復、固定、後療など独自の手技があります。人間の自然治癒力を最大限に活かす施術で、打撲や捻挫、骨折などの治療や痛みの軽減を行うのが、柔道整復師のおもな仕事です。

なお、柔道の経験がなくても柔道整復師の資格取得は可能です。柔道整復師は、以下のような職場やシーンで活躍しています。

  • 整骨院、接骨院
  • マッサージ治療院
  • 病院やクリニックの整形外科、リハビリテーション科
  • 機能訓練型デイサービス
  • 介護施設
  • トレーナー(スポーツ、ジム、チームなど)
  • 美容鍼灸院
  • 柔道整復師養成校の講師
  • 独立開業

鍼灸師・柔道整復師の資格を取得するメリット

鍼灸師(はり師、きゅう師)および柔道整復師は、ともに国家資格です。それぞれの資格を取得することで以下のメリットが得られます。

  • 需要が高い
  • 自分の判断で治療や施術ができる
  • 独立開業や保険診療が可能

鍼灸師や柔道整復師は、鍼や灸、手技と東洋医学の技術を使って治療や施術を行う医療職です。手術や投薬などの西洋医療の手法は治療効果が高い一方、体に大きな負荷がかかる場合があります。

高齢化社会に突入した日本では、高齢者への医療提供機会が年々増加しています。体への負担が少ない治療を提供する鍼灸師や柔道整復師は、高齢者への医療提供においても、大きなニーズがあります。

また、街の鍼灸院や整骨院、整形外科やリハビリテーション科、さらにスポーツの分野と、医療だけでなく幅広い現場で鍼灸師や柔道整復師が活躍しています。

鍼灸師と柔道整復師は国家資格を所持した医療職のため、自分の判断で患者さんへ治療したり施術したりすることが可能です。また、独立開業も認められています。鍼灸師と柔道整復師の行う鍼や灸、手技での施術を受ける際は、神経痛や五十肩、打撲やねん挫といった症状によって保険による診療も可能です。

鍼灸師・柔道整復師の資格取得の条件

鍼灸師や柔道整復師として働くには、それぞれの資格を取得する必要があります。鍼灸師と柔道整復師の国家資格を取得するには、以下の条件を満たさなければいけません。

  • 大学に入学する資格(高卒・高等学校卒業程度認定試験合格)がある
  • 厚生労働大臣が認定した学校、養成施設を修了して受験資格を得る
  • 上記を満たしたうえで国家試験を受験し、合格する

鍼灸師や柔道整復師になるための課程やコースのある専門学校に3年間通って単位を取得し、国家試験を受けて合格するのが一般的な資格取得の方法となります。

医療系の専門学校にかかる学費は、当ブログの「医療系の専門学校にかかる学費はどれぐらい?実際の金額を徹底調査」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

鍼灸師・柔道整復師資格取得のための専門学校を選ぶ5つのポイント

ツボの位置が記されたマネキン

鍼灸師、柔道整復師の受験資格を得るには、厚生労働大臣の認定した学校や養成施設で単位を取得する必要があります。鍼灸師・柔道整復師資格を取得するための専門学校を選ぶポイントは、以下の通りです。

  • ライフスタイルに合った通学形態(昼間、夜間)
  • 国家試験対策や合格率
  • 卒業後や就職のフォロー体制
  • ダブルライセンスは取得有無
  • 学費や減免措置の有無

それぞれのポイントについて解説します。

ライフスタイルに合った通学形態

高校卒業後の進路としてだけでなく、社会人から鍼灸師や柔道整復師の資格取得を目指したい人や、働きながら専門学校に通学したい人もいます。ライフスタイルに合った学科やコースが併設されているかどうかを確認しましょう。

特に働きながら通学する場合には、昼間コースだけでなく夜間コースも選択肢になります。鍼灸師や柔道整復師の専門学校には、夜間コースを併設しているところもあるため、チェックしましょう。

国家試験対策や合格率

専門学校で国家試験対策を充分に行えるかどうかもチェックポイントのひとつです。ただ国家試験の受験条件を満たすために単位を履修しただけでは、国家試験への合格は難しくなります。直前に模試を行うなど、国家試験対策を行っているかどうかをチェックしましょう。

また、各専門学校でははり師、きゅう師、柔道整復師の各国家資格の合格率を明記しているところも多くなっています。合格率の高さも、専門学校選びのポイントとなるでしょう。 

卒業後や就職のフォロー体制

国家資格を取得後、鍼灸師や柔道整復師として活躍できるフォロー体制が整っている専門学校を選ぶのも重要です。

鍼灸師や柔道整復師は、患者さんへ適切な治療や施術を行うため技術や知識が必要となります。国家試験対策はもちろん、現場で活躍できる技術や知識を得られる専門学校を選びましょう。実技の授業が多い、実習の機会があるなどがポイントになります。

専門学校によっては各鍼灸院や整骨院、福祉施設や医療施設と強いコネクションを持っているところもあります。求人数が多い、就職に強みがあるといった専門学校を選べば、卒業後の就職もスムーズに進められるでしょう。過去の卒業生の就職実績や、就職フォロー体制をチェックするのも重要です。

ダブルライセンスは可能か

鍼灸師と柔道整復師両方の資格取得が可能な専門学校もあります。両方の資格を取得することで、現場でできる治療の領域が広がり、より多くのニーズが得られるでしょう。ダブルライセンスを目指すなら同時履修が可能な専門学校を選ぶ必要があります。

学費や減免措置の有無

各専門学校では学費を公表しています。どの程度の学費が必要かも把握しておきましょう。なお、鍼灸師、柔道整復師の専門学校の3年間の学費の目安は以下の通りです。

  • 昼間コース単科 … 450万円前後
  • 夜間コース単科 … 350万円前後

専門学校によっては、独自の学費サポート制度やダブルライセンスを目指す場合に減免措置を設けていることがあります。学費サポートや減免措置についても調べておきましょう。

医療系専門学校の入試方式は、当ブログの「医療系専門学校の入試方式とは?入試方式や合格までの流れを解説」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

鍼灸師と柔道整復師の専門学校で資格取得を目指そう

鍼灸師と柔道整復師の仕事内容や資格取得のメリットと条件、鍼灸師と柔道整復師の専門学校を選ぶポイントを解説しました。

鍼灸師と柔道整復師は、高齢化社会を背景に今後も多くのニーズが期待できる医療職です。いろいろな職場で活躍できるほか、将来的に独立開業も目指せます。ご紹介したポイントをチェックしたうえで専門学校を選び、ぜひ資格取得を目指しましょう。