高校で学ぶ化学と生物の基礎学力は、看護大学に入学してから学ぶ専門知識と深く関わりがあります。
どうせ大学でも勉強するなら、化学も生物も今のうちから勉強していて損はありませんが、「まずは受からねば意味がない!なるべく最小投資で合格したい!」という気持ちが受験生の本音でしょう。
今回は国公立・私立別に試験科目の傾向を見て、理科ですべき対策や試験科目の選択方法について解説します。
看護大学受験で知っておきたい試験科目の傾向
看護大学受験を決めたら、志望する看護学部の受験科目や出題範囲をチェックすることが重要です。最新の情報を募集要項で把握してから対策を進めます。
理科なら「基礎」がつくかどうか、数学なら「数III」の有無、あるいは「数Ⅰ・A」のみで受験できるのか確認してください。とくに難関大学では、出題範囲が広いケースが多いです。
ここでは、おおまかな受験科目の組み合わせパターンを国公立大学と私立大学に分けて見ていきましょう。
看護系国公立大学の入学試験
国公立大学の一般選抜は、「共通テスト」と大学別の「2次試験(個別学力検査)」の得点合計で合否が判定されます。共通テストは、「5教科7科目」のケースが多いです。文理にわたり、まんべんなく対策する必要があるといえるでしょう。
2次試験では国語が含まれることもありますが、「英語」「数学」「理科」3科目のパターンが多く見られます。大学によって課される科目に違いがあるので、最新の募集要項をチェックすることが大切です。また前期日程しか実施しない、2次試験は面接だけという大学もあるので参考にしてください。
看護系私立大学の入学試験
看護系の私立大学は、英語が必須科目とされているケースが多いという特徴があります。英語にプラスして、国語、数学、理科から選択するのが私立大学のパターンです。私立大学はさらに2科目受験と3科目受験の2パターンに分けられるので、募集要項をチェックする際の参考にしてください。
2科目受験においては、英語に加えて「国語」「数学」「理科」から1科目を選択するケースが多いです。ただし必須科目を設けず、次の科目の中から2科目選ぶ日本医療科学大学の一般選抜のようなケースもあります。
- 英語
- 国語総合
- 数学Ⅰ・数学A
- 物理基礎
- 化学基礎
- 生物基礎
つまり私立大学であれば、文系科目だけを選んで受験できる大学も見つけられます。
なお3科目受験のケースは、次の2つのパターンが多いです。
- 「英語」「国語」に加えて、「数学」または「理科」から選択
- 「英語」「理科」に加えて、「国語」または「数学」から選択
化学は必要?試験のレベルと理科の対策
看護系のほとんどの大学において、化学の試験は選択肢形式で出題されます。出題されている問題は、共通テストと同じか、あるいは共通テストより易しいレベルです。
わかりやすい解説つきの問題集を1冊選んで、繰り返し解くことで基礎的な学力がつきます。そのうえで、過去問に取り組むといいでしょう。
国公立を受けないなら化学は必要ない?
前述したとおり、国公立の看護系大学を受ける際には化学は必要になります。共通テストでは、理科から2科目を選択して受けることになるからです。国公立大学を受けずに私立大学を目指すなら、一般的には化学の受験勉強をする必要はありません。
看護大学受験では、多くの大学で試験科目とされている「数学」「理科」「外国語」を対策するのが基本的にはおすすめです。しかし理科で生物を選択するのであれば、化学の対策はしなくてもすみます。
どうしても理系科目を対策する時間がとれない人は、文系科目だけを選択して受験できる私立大学を選ぶといいでしょう。
理科の看護大学受験対策はコレ
進路の選択肢を増やしたい受験生は、「化学基礎」「生物基礎」「化学あるいは生物」の3つをまんべんなく対策しましょう。とくに志望大学別の出題傾向に合わせて対策できる問題集を選ぶと、効率よく学習を進められます。
看護大学受験では、志望大学の入試科目を確認することがとても重要です。志望大学が国公立大学でも私立大学であっても、志望大学に合格するために必要な学力を身に付けることに注力します。
上述したように、理科を3つもまんべんなく対策するのは大変すぎると感じている人もいるかもしれません。化学が得意な方であれば問題ないですが、苦手な人は化学よりも「生物基礎」に力を入れることをおすすめします。私立大学を志望するなら、生物基礎のほうが計算問題も少なく得点しやすいです。
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看護大学受験における試験科目の選択方法
看護大学受験において科目を選択する方法は、次の4つです。
- 得意な科目から試験科目を選ぶ
- 科目ごとの試験の特徴から選ぶ
- 過去問を解いて決める
- 大学で学ぶことを前提に決める
では、それぞれの方法について見ていきましょう。
得意な科目から試験科目を選ぶ
得意な科目がすでにあるなら、得意科目で勝負するのが合格への近道です。合格の見込みが薄い苦手科目の克服を目指す勉強方法より、得意科目を伸ばすほうが効果的といえます。
できるだけ自分が得意とする科目で受験できる看護大学を探すようにしましょう。
科目ごとの試験の特徴から選ぶ
高校理科は「物理」「化学」「生物」「地学」の4科目です。しかし看護大学受験において、地学を選択する機会はほとんどありません。理科3科目それぞれの試験の特徴を見ながら、科目を選ぶのも1つの方法です。
理科 | 試験の特徴 |
化学 | ・全般的に選択肢形式で出題される基本・標準レベルの問題が中心 ・難問は稀にあるが深い知識を問われることは少なく、計算と演習を繰り返して知識を積み重ねれば解ける ・計算問題ほか、原理や法則などの知識が問われる問題が多い ・取り扱う知識量が多く、原理や法則を理解したうえで解くような応用力が問われる問題も増えている ・法則名・発見者名も法則の内容と合わせて正確に暗記することが大事 ・頻出分野は「有機化合物」「反応熱」「酸と塩基の反応」「酸化還元反応」「有機化学反応」など |
生物 | ・計算問題も少し出題されるが、知識を問われることが多い ・広い範囲を徹底して暗記しておけば、安定的に得点しやすい ・大学で学ぶ専門知識の先取りであり出題側も詳しいことから、高度で専門的な内容が出題されることもある ・全般的に基礎的な知識を問われることが多く、選択肢形式または単語を回答する形式がほとんど |
物理 | ・看護大学受験では、選択科目として選べる機会が少ない ・基礎的な問題が多く、公式を暗記して典型的な問題を解けるようにしておけば得点できる ・看護系の物理はとくに力学に重点がおかれている ・ボリュームは少ないが「電気と磁気」「波」「原子と原子核」なども出題される |
過去問を解いて決める
理科の科目を選ぶのに困ったら、志望大学の過去問を解いてから科目を選択することも検討してみましょう。リサーチもかねて、積極的に過去問にあたってみてください。これは、大学によって科目ごとの難易度が異なることがあるからです。
同じ大学の入学試験において、生物の難易度が高くて化学の難易度が低い、あるいはその逆がある場合があります。自分にとって有利になる科目を、戦略的に選びましょう。
大学で学ぶことを前提に決める
大学で学ぶ専門知識に役立つ科目を選ぶのもいいでしょう。看護大学受験そのものよりも、実際に入学してから専門知識を学ぶ勉強のほうがハードです。
高校を卒業するまでに学ぶ内容は専門知識とつながっており、晴れて看護学生となってからも必要とされます。看護大学受験までに全く知識を身につけていないと、授業についていくのは簡単ではありません。
化学は薬と密接な関係があり、看護を学ぶうえで重要な科目です。実際に化学で学ぶ物質名、濃度計算、化学結合などは国家試験でも出題されるほか、医療の現場でよく活用されています。
化学は自分の得意・不得意に合わせて選択しよう
看護大学受験において、化学の勉強は必須でないことをお伝えしました。ですが年度によって、対策すべき科目が変わることもあるので、志望大学の最新の募集要項を見て、試験科目や試験範囲をしっかり確認しましょう。
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